日誌

1年生 総合的な探究の時間 環境講演会

 「気候変動と私たちの未来」と題した環境講演会が1/24(水)に1年生全員を対象に開催されました。講師は徳島在住の環境ライター・佐藤由美様です。佐藤様は気候変動の国際会議であるCOPをはじめ、環境問題について世界を股にかけて長年取材されており、昨年末にドバイで開かれたCOP28にも参加され、マスメディアでもまだ大きく取り上げられていないような、環境問題に関する最新の国際情勢についてもご紹介くださいました。

 ご講演は、そもそも気候変動とは何か、どういった影響をもたらすか、その原因は何か、といった基本的な話から、これまでの取り組みの歴史的な経緯、現在、緊急の課題となっている「1.5℃目標」、そして昨年末に合意された「エネルギーシステムにおける化石燃料からの脱却」「2030年までに再生エネルギーを3倍に、エネルギー効率を2倍に」といった最新の内容まで、分かりやすく、かつ広汎に説明してくださるものでした。

 それに加えて、“ Fridays For Future ” をはじめとする世界の若者の活躍や、徳島県で実際に行われている再エネ住宅の事例の紹介、そして「再エネ促進は農山村を豊かにする」という、私達が「総合的な探究の時間」に取り組んでいる「理想の地域を実現しよう」という探究活動への示唆に富む提言など、とても50分の授業内で行われたとは思えないほど充実した内容でした。

 気候変動等の環境問題を取り上げると、どうしてもネガティブな暗い未来のことばかりを想像しがちですが、「現在、世界中の国や地域や企業、組織や人々が協力し合って、問題解決に全力で取り組んでいる。皆さんの未来は、たとえば環境を意識したグリーン・ジョブに就いたり、温室効果ガスを出さないライフスタイルへの転換が急速に進んだりしているだろうから大丈夫、安心してほしい」というポジティブな呼びかけが印象的でした。また、講演の最後に紹介されたマハトマ・ガンジーの「なりたい変化に、あなたがなりなさい」という言葉には、多くの生徒が強い印象や感銘を受けた様子でした。

 佐藤様、本当にありがとうございました。

※以下、生徒の感想です。

「講演をきいていると、それまで無謀だと思っていた脱炭素社会の実現が希望のあるものだと知り、見ているだけでなく行動にうつそうと思いました。」

「無理だというマイナスの考えから入らずに、世界での取り組みを調べ、これなら自分でも取り組めると思うものから率先して行っていきたい。」

「あと2年で車を運転できるようになります。車を電気自動車にしたり、家を建てるときが来たら、太陽光パネルを使うなどして、環境のことを考えていきたいです。」

「大学や就職先を決めるときに、環境問題に対して、活動をしていたり、対策をしていたりすることを条件に入れたい。」

「世界には、自分たちよりも年下の子どもが気候変動対策のためにがんばっているので、僕たちも何かがんばらないといけないと思った。」

「協力は人間の最大の武器だなと感じた。」

「自分の住んでいる地域をより良くするために,自分はどうすればいいのかを考えていきたいと思います。」

「佐藤由美さんの演説は今まで聴いた中で一番上手かった。声量、話し方、速度すべてにおいて上手だった。見習いたい。」