令和8年度

海外短期留学報告

2026年9月14日 12時44分

○令和8年度 フィジー海外短期留学について
      (徳島版トビタテ!留学ジャパン)
○日 程:  7月19日~ 8月7日(19泊20日)
○訪問先: フィジー共和国
○タイトル:
「一歩を踏み出した先に見えた景色 〜世界一幸福な国・フィジーで学んだこと〜」    

皆さんは、「幸せ」とは何だと思いますか。その答えを探しに世界一幸福な国へ飛び込んだ物語をお話しします。
 

なぜフィジーだったのか。そこには、留学に出るずっと前からの、私なりの原点がありました。実は、辛い時期に、ある一人のカウンセラーの先生がそっと寄り添ってくれたことがあります。あの存在が、私にとってのすべての始まりでした。人の心に関わる仕事を、いつか自分もしてみたい。そう思うようになったんです。そこから私は、ボランティア部やこども食堂での活動に参加するようになり、そこでいろいろな事情を抱えた人たちと関わる中で、人と関わる喜びを知りました。そして次第に、「人が幸せに生きるために、本当に必要なものは何だろう」という問いを、探し続けたいと思うようになったんです。その問いの答えを、誰かに教えてもらうのではなく、自分の目で確かめたい。そう考えていたときに出会ったのが、「トビタテ!留学JAPAN」という制度でした。私は3週間のフィジー留学を決意しました。

 

 

現地での生活は、決して甘いものではありませんでした。まず立ちはだかったのは言葉の壁です。伝えたいことがうまく伝わらず、簡単な会話ひとつにも時間がかかり、何度も悔しい思いをしました。日本とはまったく違う食生活にも、なかなか馴染めませんでした。フィジーの食生活が合わず、毎日腹を下していました。現地で取り組んでいた探究活動もうまくいかず、一人、部屋で落ち込む夜が何度もありました。

 

つらいことばかりではありません。フィジーでは、たくさんの活動を経験しました。幼稚園では、現地の子どもたちと一緒に遊び、学び合いました。言葉が完璧に通じなくても、彼らの笑顔や成長に触れるたびに、絆を深めていくのを感じました。休日には、現地の人々と時間を過ごして文化にふれたり、大自然の中で心をリフレッシュしたり、観光地を訪れたりもしました。そして探究活動では、心理学や幸福について深く学びながら、自分自身の価値観を見つめ直す時間を過ごしました。幼稚園での触れ合い、休日の経験、探究活動、そのどれもが、考えを深め、未来へとつながる学びになっていったのです。

 

そんな私を支えてくれたのが、フィジーの人たちが大切にしている「ケレケレ」という考え方でした。ケレケレとは、助け合い、モノや時間を分かち合う文化のこと。午前中の幼稚園でのボランティアが終わり、家に帰ってお昼ご飯を食べようと思ったらありませんでした。困ったので隣の家に訪問しました。そしたら、「お昼ご飯一緒に食べる?」と誘ってもらったので一緒にお昼ご飯を食べました。
私の言葉がうまく伝わらなくても、完璧でなくても、フィジーの人たちはいつも、ありのままの私を受け入れてくれました。思いやりがめぐると、世界はもっとやさしくなる。そのことを、身をもって知りました。幸せの理由は「完璧さ」ではなく、温かなつながりにあると気づいた瞬間でした。
 この経験を通して、私の中で、心理の仕事の意味が変わりました。以前の私は、マイナスをゼロにすることが仕事の目標だと思っていました。けれど今の私は、その人がその人らしく、ありのままの自分を認められるようにサポートすることこそが大切だと考えています。フィジーでの経験が、過去の自分と、今の自分とをつなげてくれました。あの日感じていた焦りを抱えていた自分と、カウンセラーの先生に支えられていた自分と、今こうして夢を語る自分が、ひとつにつながりました。

 

最後に、後輩の皆さんに伝えたいことがあります。誰かと比べる必要はありません。あなたらしい経験を、どうか誇りに思ってください。「変わりたい」と思うその気持ちこそが、行動の原動力になります。不安を感じるのは、きっと新しいことに挑戦しようとしている証拠です。その不安の先には、想像以上の出会いと気づきが待っています。私自身がそうだったように。その一歩を信じて、進み続けてください。
 最初に、「幸せとは何だと思いますか」とお聞きしました。ケレケレの文化に出会って気づいた、温かなつながりこそが、私なりの答えです。最後になりましたが、この挑戦を支えてくれたすべての人に、心からの感謝を伝えたいです。先生、家族、友人の応援が、私の力になりました。今の自分の枠にとらわれず、思いきって世界に飛び出してみてください。(村田)