日誌

第51回千代女少年少女全国俳句大会 佳作に選出されました!

 

第51回千代女少年少女全国俳句大会 高校生の部 佳作 に、1作品が選出されました。

 

原爆忌瓦礫の中の二十歳(にじっさい)        3年 近藤弥生

 

 「原爆忌」とは慰霊の日の一つで、原子爆弾が投下された日。8月6日と8月9日の二つありますが、立秋が8月7日頃のため、広島忌(8月6日)が夏の季語、長崎忌(8月9日)が秋の季語として詠まれます。この作品を考えた当初は、戦後78年が経った今、ロシアによるウクライナ侵略戦争が今この時代に起きてしまった悲劇を訴えることも意図していましたが、奇しくも俳句選考のただ中の10月、ガザ地区でパレスチナ・イスラエル戦争が起こってしまいました。

 世界の平和を訴えたこの俳句が選出されたのは、嬉しくもあり、この世界の現状を突きつけられたかのようでもあります。

 私たちは「二十歳」と聞くと、「立派に成長した」だの「飲酒や喫煙ができる」だのと思い浮かべるのが普通です。しかし、戦時下にいる人たちは違います。明日、自分が生きていられる保障もない社会で二十歳になったところで、考えることは10年や20年先の未来のことではなく、明日、いや今日どう生きるかということです。本来ならば自分の遥か先の未来を思い描くはずのティーンエイジャーがそのようなことを考えることすら許されない。そして夢すら見れぬまま命を落としてしまうこともある。それが戦争というものだと私は思っています。

(文:3年 近藤弥生 

顧問 稲垣奏美)